2006年2月22日水曜日

「納豆が嫌いだというと“どうして?”と詰問される」(糸山秋子)




今晩の日経「プロムナード」コ ラムで作家の糸山秋子さんが(この人の姓の字がでない。糸が二つ並んでいる漢字)。群馬の人なのに納豆が嫌いだそうだ。それを言うと、皆から「どうし て?」と理由を求められ、責められるらしい。お気の毒。好き嫌いに理由なんかないのだ。でも、今度の食育基本法はそんなワガママを許さないようだ。

食育推進基本計画というものが あり、昨年7月に施行された食育基本法に基づき、食育推進の基本的な方針や目標を策定することになっている。たとえば「小学五年生で朝食を食べない子供の 割合を、現在の4%から10年度までにゼロ%に近づける」という数値目標が盛り込まれる予定だ。なんせ法律に基づいた計画だ。うっかり朝寝坊をして子供を そのまま学校にやると、怖い給食おばさんから「あなたは法律違反をしています」とねじ込まれることになる。子供の好き嫌いも同じで、これまた「法律違反」 だ。

農業関係者はなんでも法律を作って「数値目標」を設定 するのが好きだ。いったん立法化すればそれが一人歩きする。法律である以上守らなければならないという理屈が通るのである。現在の農業基本法の食糧自給率 の数値目標がそうだ。完全にそれが一人歩きしており、どんな農業団体のごり押しも「法律を守るため」に正当化されることとなった。

抽象的な「誰もが反対できないような」大義をまず掲 げ、それに付随して「数値目標」を作ってしまう。このやり方は戦後農業団体がとってきた常套手段だ。食育基本法は、今後、農業基本法と並んで「天下の悪 法」として日本社会に機能するのではないかと危惧している。

Posted: Wed - February 22, 2006 at 06:42 PM   Letter from Yochomachi   名言(迷言)集   Previous   Next   Comments (3)  

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